【ルール紹介】スペースエクスプローラーズ

【ルール紹介】スペースエクスプローラーズ

スペースエクスプローラーズ(Space Explorers)は1950年代後半から1970年代中盤まで続いた米国とソ連の宇宙開発競争をモチーフとしたロシア発祥のボードゲームです。実際に米国とソ連が当時実施していたプロジェクト名(e.g.アポロ11号やスプトーニク1号など)が用いられており、宇宙好きにはたまらない作品です。また、別記事で紹介しているスプレンダーと同じ拡大再生産ゲーム(自分のボードや手札が徐々に成長していくもの)ですが、スプレンダーよりもカードに付加された効果が様々あり、より戦略性の高いゲームとなっています。今回はそんなスペースエクスプローラーズのルールについて紹介します。

20

プレイ時間プレイ人数利用シーン
20~40分2~4人友人や家族と、科学好きな高学年の子供と

そもそものスペースエクスプローラーズ自体を未だ知らない方はゲーム概要の記事からお読みください。

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1.アイテムの紹介

次に、スペースエクスプローラーズをプレイする上で使われるアイテムについて紹介します。アイテムは以下7種類のアイテムを使用します。

アイテム一覧の画像を挿入

ゲームの内容物(右上から時計回りに、人材カード、歴史上のプロジェクト、リファレンスカード、スタートプレーヤーマーカー、研究チップ、プロジェクトタイル、研究開発ハブ)

①人材カード

エンジニア、科学者、宇宙飛行士、組立技師、検査官の5種類×各12枚が存在し合計60枚のカード構成されます。同じ種類のカードでも12通り存在し、各々で配置するためのコストや能力が異なります。優れた人材を配置することでゲームの勝利につながる宇宙開発の進歩点を獲得することができます。

人材カード一覧の画像を挿入

②歴史上のプロジェクト

米ソ宇宙開発における歴史上のプロジェクトの概要が記載された一覧カードです。ゲームを遊ぶ上では直接関係ありませんが、宇宙について少し詳しくなれるという遊び心があります笑。

③リファレンスカード

特定の人材カード(60枚の内の半分である30枚)には固有の特殊能力が備わっています。この能力を駆使するのが勝利のカギとなりますが、30種類ある能力全てを覚えるのはなかなか大変なので、網羅的に一覧になったリファレンスカードが各プレーヤーに1枚ずつ配られます。

④スタートプレーヤーマーカー

ゲーム開始に1番最初にターンが回ってくるプレーヤーにこのマーカーを渡して目印とします。

⑤研究チップ

研究チップはエンジニアリング(青)、検査(緑)、研究(黄)、組立(赤)、宇宙飛行(紫)の5種類があります。これは人材カードを配置するのに必要になります。ゲームの参加プレーヤーは、スタート時に各研究チップを1個ずつ受け取ります。(4人でプレーした場合は5種類×4人=20個の研究チップが場に存在します。)

研究チップの画像を挿入

⑥プロジェクトタイル

歴史上のプロジェクトが描かれたタイルで、一定の条件を満たすことでプレーヤーは入手することが出来ます。プロジェクトタイルを獲得することでもゲームの勝利につながる進歩点を獲得することができます。

プロジェクトタイルの画像を挿入

プロジェクトタイルの画像を挿入

⑦研究開発ハブ 各プレーヤーが自分の人材を配置するスペースで、5色に分けられた5つの部門(部門)が存在します。

2.ゲームの目的

次にスペースエクスプローラーズの目的について紹介します。スペースエクスプローラーズはゲーム終了時点で最も進歩点を獲得したプレーヤーが勝者となります。どの様にして進歩点を獲得できるかは、「4.ポイントの獲得方法」で説明します。

3.ゲームの準備

スペースエクスプローラーズをプレイする前の準備として、大きく①場の準備と②プレーヤーの準備の2つに分けられるので、順を追って説明します。 (※以下は4人でプレーする前提での記載)

3-1.場の準備

まず、研究開発ハブ(以下ハブ)を組み立てて、画像の様な四角い囲みを作ります。参加人数+2枚(e.g.4人の場合は6枚)のプロジェクトタイルを場(ハブの囲いの中)にならべます。このときにどのタイルを選ぶのかは自由に決めることが出来ます。最後に良くシャッフルした人材カードの山札をプロジェクトタイルと同様に場に設置します。山札の上から5枚を場に表向きに設置したら、場の準備は完了です。

場が準備された状態の画像を挿入

3-2.プレーヤーの準備

次にプレーヤー側の準備です。各プレーヤーはリファレンスカード1枚と研究チップの全種類を1つずつ受け取り、5枚の研究チップを対応する自分のハブの部門に配置します。そして山札の上から各プレーヤーは順番に1枚ずつカードを手札として引きます。最後にじゃんけんなど適当な方法で最初のプレーヤーを決めて、最初のプレーヤーはスタートプレーヤーマーカーを受け取ります。これでゲームの準備が全て整いました。

4.ポイントの獲得方法

次にスペースエクスプローラーズの勝利に必要な進歩点の獲得方法について説明します。スペースエクスプローラーズでは下記2種類の進歩点の獲得方法が存在します。

i)人材カードの配置による獲得

ii)プロジェクト完了に伴うプロジェクトタイルの取得による獲得

これだけ見てもよく分からないと思うので、順を追って説明していきます。まずは、人材カードについて詳しく説明します。

人材カードは以下の画像に記載された番号に対応する要素で構成されます。

人材カード1枚を拡大して対応箇所に番号を振った画像の挿入

①進歩点

自分のハブに配置した人材カードに記載された数字だけ、ゲーム終了時に進歩点を獲得できます。例えば、画像の人材カードであればゲーム終了時に進歩点3点を獲得出来ます。但し、一部の人材カードは数字ではなく※(アスタリスク)が記載されているものもあります。これは後ほど説明する人材カードの能力に関係して進歩点が変化するカードです。

②スキル

スキルには以下3つの意味があります。(詳しくは後述します。)

A)人材をどの部門に配置できるのか

B)この人材が同じ部門に配置される新たな人材の配置コストをどれ位削減できるか

C)どのようなプロジェクトを完了させられるのか

③配置コスト

人材カードをハブに配置するのに必要な研究コストを示しています。例えば、画像の人材カードであれば検査(緑)×3、研究(黃)×2のコストを支払うことで配置できます。配置コストが描かれている場所の下の方に三角の矢印が付いていますが、これはスキルによる配置コストの削減効果が下から順番に適用されるという目印になります。

先程のスキルの説明の中で、ii)この人材が同じ部門に配置される新たな人材の配置コストをどれ位削減できるか、とありましたが、ハブに既に配置されている人材カードに描かれたスキルの数だけ、新しくハブに配置される人材の配置コストを下から順番に削減することが出来るのです。但し、削減効果が得られるのは新しく配置しようとしている人材に対応するハブの部門(つまり同じ色)に存在している人材カードのスキル分だけです。

例えば、以下の様に宇宙飛行(紫)に既に人材カードが2枚配置されており、それらカードのスキル合計の削減効果は3になります。よって、同じ部門(紫)に新しく人材カードを配置する場合は、そのカードに描かれた配置コストを下から順番に消すことが出来る為、画像のカードであれば配置コスト1(青色のエンジニアリング)を支払うだけで配置することができます。ちなみに、この場合は配置コストが3以下の人材カードであればコストを支払うことなく人材カードをハブに配置することができます。(⇒このポイントが正に拡大再生産の要素ですね!)

具体例画像の挿入

④能力

人材カードには能力が備わっているカードが一定数存在します。この能力は人材カードがハブの各部門の最先端に配置されているときにしか効果を発揮出来ません。但し、一部の進歩点に関係する能力については最先端に配置されていなくても効果を発揮できるものもあります。

最先端の具体例画像の挿入

⑤カードナンバー

先程説明した能力は、カード毎に様々で全部で60個も存在します。(除く研究チップ効果)これら全ての能力を正確に覚えるのは大変です。そこでリファレンスカード(能力の一覧表)で都度気になるもの確認していくのですが、その際に調べたい能力と人材カードを一致させる対応数字がカードナンバーになります。

これで、人材カードが持っている情報と人材カードを配置することによる進歩点の獲得方法は理解できました。まだ、ii)プロジェクト完了に伴うプロジェクトタイルの取得による獲得については曖昧だと思いますが、人材カードのスキルの説明で、C)どのようなプロジェクトを完了させられるのかというのがあったのを思い出して下さい。

プロジェクトタイルを見るとスキルに対応したマークと数字が描かれているのが分かります。これはプロジェクト完了に必要なスキルの種類と数を表しています。自分のハブに存在する人材カードに描かれたスキルの数と種類が場に表示されたプロジェクタイルの完了条件を満たすと自分のターンが終了した時点で自動的にプロジェクトタイルを獲得することができるのです。(左上に描かれた数字が進歩点です。)

ポイントの獲得方法を整理すると以下の様になります。

i)人材カードの配置による獲得

必要な配置コストを支払って自分のハブに配置した人材カードの描かれた進歩点の分だけ得点を獲得。(但し、一部のカードは能力によって獲得できる進歩点の数値が変動)

ii)プロジェクト完了に伴うプロジェクトタイルの取得による獲得

自分のハブに配置した人材カードのスキルの種類・数が場に存在するプロジェクトタイルに描かれた条件を満たしたときに、自分のターン終了時にプロジェクトを完了してそのプロジェクトタイル(に描かれた進歩点)を獲得。

これだけだとイメージが湧き難いと思うので、次章でターン消化の流れと共にポイントの獲得方法もおさらいします。

5.ターン消化の流れ

ゲームが手許にない中で視覚的にもよりイメージを持って貰うためにYouTubeでスペースエクスプローラーズのルールを説明している動画も併せて紹介します。(販売元のリゴレさんの公式動画です。)

各プレーヤーは自分のターンで大きく以下2つのアクションしか取れません。

①人材カードを引く

プレーヤーはセンター(常時5枚以上の人材カードが配置される人材市場)か山札のいずれかから1枚のカードを引いて自分の手札に加えることが出来ます。

②人材カードを配置

プレーヤーは自分の手札かセンターから1枚人材カードを選択して自分の研究開発ハブに配置することが出来ます。スキルでも軽く触れましたが、配置する際には人材カードの色(職業)と研究開発ハブの色(部門)とを一致させる必要があります。(カードによってはスキル欄に2種類のスキルが描かれているものがありますが、この様なカードはどちらかのスキルを配置する際に選んで配置することが出来ます。)

プレーヤーは人材カードを配置させるには、カードに描かれた必要な配置コストを支払う必要があります。このとき、配置コストを支払う方法が3つ存在します。プレーヤーは3つの内のいずれか或いは複数を組み合わせて配置コストを支払うことが出来ます。

i) 手持ちの研究チップを使用

自分のハブに配置されている研究チップを使って支払うことが出来ます。支払いに使用した研究チップは自分の次のプレーヤーに渡します。

ii) 手札の人材カード1枚をセンターに置く

こうすることで、好きな研究チップ2枚を支払ったことと同じ効果が得られます。

iii) 研究開発ハブに配置された人材カードの能力

人材カードの中には特定の研究チップの支払いを代替する能力持ったものがあります。それらカードの能力と合わせて必要な配置コストを支払うことも出来ます。

プレーヤーはこれらの方法のいずれかあるいは複数を用いることで人材カードを配置します。また、先程のスキル・配置コストの説明で記載した通り、既に配置された人材カードのスキルによって、新たに配置する人材カードの配置コストを削減することが出来ます。

各プレーヤーはこれら人材カードの能力を駆使しながら、カードを引くor人材カードを配置するを繰り返していきます。最終的に、何れかのプレーヤーが12人目の人材カードを配置するか、最初に準備されたプロジェクトタイルが全て完了した時点から、スタートマーカーを持つプレーヤーの直前のターンが終わったところでゲームが終了です。その時点で最も多くの進歩点を獲得したプレーヤーが勝者です。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?スペースエクスプローラーズは中上級者向けのボードゲームですが、スプレンダーなどの拡大再生産ゲーム好きにはたまらない作品だと思います。ボドゲに慣れてきた人はぜひ一度プレーして見て下さい!はまること間違いなしです!

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