【ディクシットオデッセイ(DiXit Odyssey)】~微妙なはずしが勝利のカギ!?直観力・表現力が試されるゲーム~
DiXitはフランス発祥のボードゲームでプレーヤー間のコミュニケーションがゲームの進行上も非常に重要になるゲームです。フランスやドイツにおいて年間ゲーム大賞を受賞するなど、世界中でブームを巻き起こしました。今回は海外で大人気のディクシットについて紹介します。
プレイ時間 | プレイ人数 | 利用シーン |
---|---|---|
30分 | 3〜6人 | パーティ、合コン |
DiXit(以下、ディクシット)はフランス発祥のボードゲームで プレーヤー間のコミュニケーションがゲームの進行上も非常に重要になるゲーム です。ディクシットとは、ラテン語で「(彼が)言う」という意味で、フランスでは根拠なき主張を揶揄するときに使われる言葉ですが、正にその名の通り、プレーヤーはカードに描かれたえも言われぬ絵を見て、一言でそれを表現し、周囲の一部(後述しますが、全員ではないという所がミソ!)のプレーヤーに当ててもらうゲームです。 フランスやドイツにおいて年間ゲーム大賞を受賞 するなど、世界中でブームを巻き起こしました。今回は海外で大人気のディクシットについて紹介します。
ディクシットの概要を既に知っていてルールを確認したい方はこちらの記事からお読みください。
関連記事紹介
1. ゲームの目的
まず最初にディクシットがどの様なゲームなのかをイメージして貰うために、その目的について紹介します。ディクシットはプレーヤー間で獲得する得点を競い合い、最終的に30得点以上を獲得したプレーヤーが勝者となります。以下、簡単にルールを紹介しますが、詳細は「ルール紹介」の記事で紹介しているのでそちらもご覧頂ければ幸いです。
ディクシットはカラフルなイラストカードを用いたゲームで各プレーヤーは6枚の手札を持つことになります。そして、ターン毎にプレーヤーの中から1人が語り部という役割を担います。
ディクシットのプレイイメージ
次にディクシットの勝利に必要なポイントの獲得方法について説明します。ディクシットはターン毎にプレーヤーが1人の 語り部 と それ以外(子) とに分けられます。ポイントの獲得方法は大きく2つあり、語り部と子で整理すると以下の様になります。
語り部となった人は手許にある6枚のイラストカードの中から好きなカードを選び、そのカードから連想されると思った 一文 を話します。この際、一文は A:単語 でも B:文 でもはたまた C:擬音 の様なものでも何でも構いません。
語り部以外のプレーヤー(子)は自分の手札の中から、 語り部が話した一文に最も合うと思った絵柄のイラストカードを1枚選択 して裏向きのまま語り部に渡します。
語り部は自分が選択したイラストカードと子から受け取ったカードすべてを組み合わせてシャッフルし、場の得点ボードに配置します。
子は場に表示されたイラストカードの中から、 語り部が選んだと思うカードに投票 を行います。
全員の投票が完了したら、 語り部がどのカードが自分のものかを公表 し、下記の配点表に基づきポイントの集計が行われます。(6人でプレイする場合、語り部は最大3ポイント、子は最大7ポイント獲得する機会があります。この点は2-3で示す具体例を見て頂くとよりイメージがつきます。)
各プレーヤーは獲得したポイント分だけ得点ボード上のコマを進めます。最初に30ポイントまでコマを進められたプレーヤーの勝利です。
A:語り部以外のプレーヤー全員が語り部の選んだカードに投票した、或いは誰も投票しなかった場合 | B:A以外の場合 (但し、子の+αは子が場に提示したカードへの投票1つにつき1点加点) | |
---|---|---|
語り部 | 0点 | 3点 |
子 | 2点 | 3点+α |
配点表
2.ディクシットのおすすめポイント
次に、ディクシットのおすすめポイントを3つ紹介します。
2-1.ディクシット - ここがおすすめポイント① – プレイ中の会話が弾む!
トランプなどゲームを通じてその場にいる人の会話が弾むことはありますよね。でも、ディクシットの場合は、ゲームの進行自体にプレーヤー間のコミュニケーションが必須となり、プレイ中の会話はより弾みます。色々な人を自宅に呼んでパーティーなどをするときに、ディクシットを使えば、顔見知りではない人同士も自然と打ち解けていくことでしょう。
2ー2.ディクシット – ここがおすすめポイント② – 老若男女、幅広い層で楽しめる!
ディクシットは既に説明した通り、イラストカードを見て、そこに描かれたものを語り部が自由な表現で説明して、他のプレーヤーがそのカードを推理して当てるという非常にシンプルな設定です。なので、小さい子(公式の対象年齢は8歳以上)からお年寄りまでが、すぐにルールを理解して一緒になって遊ぶことが出来ます。また、通常は言葉が違う外国人とボードゲームをプレイするのはルール説明だけでなく、進行していく上でも中々難しいものです。しかし、ディクシットは単語レベルでもゲームが成立してしまうので、外国人とも一緒に遊ぶことができる可能性があります。(ルールの説明書も5か国語用意されています。)この直感的に遊べる手軽さもディクシットの魅力です。
2ー3.ディクシット – ここがおすすめポイント③ – 戦略の自由度が高い!
ディクシットは手札のイラストカードから1枚を選んで一文で説明するという非常にシンプルなゲームでありながら、その一文を縛る明確なルールがない故に、非常に戦略の自由度が高いと言えます。そこにポイントの獲得ルールが合わさって絶妙な面白さを醸し出します(笑)。どういう事か少し例を示しながら説明します。
あなたが語り部だとして、以下6枚の手札があったときに上段中央のクジラが描かれたカードを選択して、一文を「クジラ」で説明した場合、子が場に提示したカードにクジラが描かれたものがない限りは、ほぼ確実に全員があなたの選択したカードを選んで投票することが予想されます。そうなると、配点表のAに該当するため、語り部の獲得ポイントは0点、一方で子全員に2点が加算されます。語り部は全員に当てられても、誰からも当てられなくても得点が入らないので、 人によって判断が分かれそうな絵柄とそれを連想させる一文を考える必要がある のです。例えば、先程のクジラの絵を選択して、一文を「ピノキオ」とした場合はどうでしょうか?(ピノキオは終盤でクジラに飲み込まれるので)まず、ピノキオを見たことはない人は連想することが難しいですが、ピノキオほどの作品であれば誰か一人位は見たことがあって、上手くクジラを連想してくれそうですよね。この様に、 語り部は子の何人かに分かるか分からないかの微妙なラインを攻めるべく、カード選びと一文を工夫 することになります。
手札カードのイメージ①(語り部)
A:語り部以外のプレーヤー全員が語り部の選んだカードに投票した、或いは誰も投票しなかった場合 | B:A以外の場合 (但し、子の+αは子が場に提示したカードへの投票1つにつき1点加点) | |
---|---|---|
語り部 | 0点 | 3点 |
子 | 2点 | 3点+α |
配点表(再掲)
次に、あなたが子のときに以下の手札を持っていた場合を考えてみます。例えば、語り部が先程の手札の中から、左上のカード(影と実態が逆転している様なカード)を選択して、一文を「どっちが本物だ?」と話しました。ここであなたは、 語り部が話した一文から連想されるカードだと、他の子が勘違いする様なカードを選択 する必要があります。なぜなら、自身が提示したカードが他の子から投票された場合に、配点表のBのケースであれば投票1つにつき1点がボーナスポイントとして加算されるからです。あなたは以下の手札からどのイラストカードを選択するでしょうか?右上のカード(うさぎの騎士の前に3つの扉が描かれたもの)であれば、「どっちが本物だ?」という語り部の一文からも結構連想されそうですよね?この様に、 子も語り部の一文と自身の選択したカードとの関係をどの様に解釈するかを予想して、イラストカードの選択を行う 必要があります。
手札カードのイメージ②(子)
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?ディクシットは幅広い層(年齢や国籍問わず)の知らない人同士が、直ぐにゲームのルールを理解して楽しめる手軽なボードゲームです。一方で、多種多様で美しい絵柄のイラストカードと語り部の表現によって、非常に高い戦略の自由度が内包されたもので、合コンの2次会やパーティーの途中などにプレイすれば、盛り上がること間違いなしです。ぜひ一度プレイしてみて下さい!