【枯山水】~目指すは徳の高い作庭家。より美しい庭を求めて~
枯山水は、ゲームデザイナー山田空太さんが作成し、2014年に発売されたボードゲームです。プレイヤーが禅僧となり、徳を積みながら日本庭園の一様式である「枯山水」を完成させることが目的です。定められた加点方式に則って計算し、最終的に誰が一番徳の高い庭園をつくることが出来たか、その侘び寂びを競い合います。
プレイ時間 | プレイ人数 | 利用シーン |
---|---|---|
60~90分 | 2~4人 | 家族や友人と |
1.枯山水の整うポイント
1-1.「座禅」や「譲渡」で徳を積むシステム
「枯山水」は徳の高さが物を言うゲームです。
座禅や、砂紋タイルの譲渡を行うことで徳を積み、ポイントとして使用します。
徳の高さに合わせた石(自分の庭園内に配置する)をもらえたり、自ら徳を下げることで他人から砂紋タイルを奪うなど、様々なアクションが出来るようになります。
「じゃあ私は徳を積みます。」といった会話が自然に起こるのが楽しいです。
1-2. デザインや世界観が渋すぎる!
作庭に欠かせない石(コンポーネント)の造形が素晴らしいです。また、相手を出し抜いたり、駆け引き要素はなく、作庭家としてより美しい庭を表現することに集中することも大切な要素だったりと、
デザインからルールまで、とことん日本の美を感じる美しいボードゲームとなっています。
ボードゲームというものをあまりプレイしない方でも、和の世界観が好きな方ならば、興味を引くこと間違いないしです。
1-3.争いのない?穏やかな気持ちで遊べる平和なゲーム
最終的に侘び寂びを”競う”ことになりますし、勿論1位になることは嬉しいのですが「如何に美しい庭をつくることが出来るか」が何よりの目的です。
相手が良い庭をつくるための譲渡システムもあります。ゲーム終了後は「お宅のお庭素敵ですね」「いえいえそちらこそ」と、穏やかな会話が生まれていることでしょう。
ゲームの流れは一見複雑ですが、時間制限がないため、ゆっくりと自分のペースで楽しめますし、初めてボードゲームをプレイする人でも大丈夫です。
2.アイテムの紹介
寺院ボード
タイルと石の置き場、各プレイヤーの徳ポイントの現在地を記録するトラックが描かれています。また、ゲーム終了時に各人の勝利点を確認するためのトラックが外縁に描かれています。
庭園ボード
枯山水を造るための個人用ボードです。
中央の窪みが砂紋タイルを置く場所である庭園となります。ゲーム終了までに、3行5列、計15枚のタイルを設置します。また、ボード右下の仮置き場にはタイルを1枚だけ保管できます。
砂紋タイル 80枚
庭園ボードに配置され、枯山水を構成するものです。砂のみが描かれた砂タイルと、砂に加え苔が描かれた苔タイルがあります。
全ての砂紋タイルを伏せたままよく混ぜ、いくつかの山にし、寺院ボード上のタイル置き場に積みます。
石 25個
貯まった徳ポイントを費やすと獲得できる、枯山水庭園の構成物です。5種類の形があり、底面に記されたマークで識別できます。
名庭園カード14枚
ゲーム終了時に、自分の名庭園カードに描かれている通りに石を置いてあると、ボーナスの勝利点(右上記載)が得られます。
名庭園カードは伏せたままよく切り、全員に1枚ずつ配ります。カードは他のプレイヤーに見せないようにします。
作庭家カード 9枚
ゲーム中に一度だけ使用でき、記載された特別な効果を得られます。
名庭園カードど同様に、全員に一枚ずつ配ります。
禅僧駒 4個
庭園に置かれ、タイル上を移動します。庭園に石を置く際、禅僧駒の現在地により可能な設置場所が決まります。(禅僧駒のいるマスの縦列のみ配置可能)
庭園ボード右下の三角形と同じ色の禅僧駒を受け取ります。
円相駒 4個
徳ポイントトラックに配置し、各人の徳ポイントの現在地を表示します。
禅僧駒と同じ色の円相駒を取り、寺院ボード上にある徳ポイントトラックの「0」のマスに置きます。
早見表 4枚
手番の選択肢や勝利点獲得の条件、タイルの構成が記載されています。各自一枚受け取ります。
説明書 1部
3.ゲームの目的
プレイヤーは禅僧として、様々な種類の砂紋パネルと石を使って、「美しく洗練された枯山水庭園をつくること」を目指します。
自分の徳を「座禅」や「タイルの譲渡」をすることでポイントとして高め、その徳ポイントを使うことで価値の高い石を獲得したり、他の禅僧の砂紋パネルを強奪することができます。
ゲームの勝ち負けは、自分がつくった庭園の「芸術性」によって決まります。
ゲーム終了後に、庭園の美しさ、侘び寂びが「徳ポイント」として加点され、徳が一番高いプレイヤーが勝利となります。
※「枯山水(かれさんすい)」とは、白い砂や石、苔など、水を使わずに水の流れや水面、自然の風景を表現する日本庭園の様式です。
4.まとめ
ボードゲーム「枯山水」は、砂紋タイルの並べ方やタイルの取捨選択、目指す庭園の姿を臨機応変に考え、如何に美しい(得点の高い)庭園を完成させるか、その最適解を見つけることに集中するのが楽しいゲームだと思います。
得点になる砂紋タイルや石の配置、加点方法が多いので、その条件を意識して庭園を造るには慣れが必要かもしれません。
初回プレイは時間がかかることと思いますが、一度理解してしまえばそこまで難しくはないです。
プレイ中、自分や相手の行動に対して「徳が足りないね」「徳の低い行動ですいません」などの会話が生まれるのが楽しいです。
枯山水をプレイするひと時を、和の雰囲気を、存分に味わってください。